この間、1人でカフェに行ってきました。
カフェってオシャレな人しか入れない雰囲気出してるじゃないですか?(勝手なイメージ)
それでね、そのカフェに行くのは地元にあるのに初めてだったから緊張してたんですけど、入ってすぐに、店員さんが来て、
「いらっしゃいませ!何名様ですか?テーブル席とカウンター席がございますが、どちらになさいますか?奥が喫煙席、手前が禁煙席となっておりますが、タバコの方はお吸いになられますか?」って。
早口だった。短時間に大量の情報が飛び込んできた。
簡単に扉開いちゃったわ。
なんか、カランコロンって鳴ったわ。
通行料として、「えっ!?」って聞き返しちゃったわ。
そしたら店員さんがもう一度、笑顔で聞いてきてくれるの。この時点で、心折れた。
「1人です。禁煙席で。テーブル席空いてますか?」って折れた心を励ましながら言った。
そしたら、店員さんが
「申し訳ございませんが、禁煙席のテーブル席は空きがございません。喫煙席でしたら空きがございます。禁煙席ですと、カウンター席でしたら……」
もうね、とっさの判断だよね。
「じゃあ喫煙席でいいです!」
早く座りたかった。この地獄から解放されたかった。自由の身になりたかった。
カウンター席なんて店員さんと近すぎて余裕でその場で躊躇なく舌噛み切って死ねる。
んでね、喫煙席までご案内されました。
移動中に禁煙席を突っ切るんだけど、禁煙席の人たちの目は完全にこっち向いてた。
にげるのコマンド連打ですよ。
押しまくった。親の仇か!ってくらいの勢いで押した。
連打してたら、ようやく2ばんどうろ抜けたね。
そしたら店員さん、「ごゆっくりどうぞ」と。
よっしゃ!解放された!つって。でも、もう心ズタボロなんですけど。全身傷だらけなんですけど。ここまできて言うのもアレなんですけど、もうすでに帰りたい。
さすがにそれはお店に悪いので、一番奥の窓際のテーブル席に座りました。
座ったらすぐにホールの店員さんが来て、お水くれた。お水渡しながら、「ご注文の方、お決まりになりましたらお呼ください」って。
もうね、こっちはそれどころじゃないんですよ。
早くポケモンセンター行ってレポート書きたかった。
だからね、平静を装いながら「は、はい…」って。
でも、動揺して持ってきた本落としちゃった。
拾った瞬間、あっ!この空気はアレだ!コレはアレだ!時間が解決してくれるパターンのヤツだ!
ひらめきましたよ。人間、ピンチのときは頭の回転が早くなるんですね。
今なら「Q. このときの作者の心情を書きなさい」に難なくスラスラと答えられる自信がある。
本を拾って読み始めました。
多分、1時間くらい経ったのかな?休憩しようと思って気付く。
そう。飲み物を注文してない……!!!
動揺を隠しきれたか分からないけど、とりあえず落ち着け。平静を装え。大丈夫だ。もうコイツらには一生会わないんだから。って、自分に言い聞かせた。
でもね、終わった。死んだ。これは確実に死んだ。ゴルゴ13だったら頭撃ち抜かれてる。
「注文しろよ!」って思うじゃん?
違うの。今さら頼めない状況。察して。
ここで選べる選択肢は4つ。
A.気にせず注文。
B.とりあえずメニューを開く。
C.読書続行。
D.死ぬ。
焦る。コレは焦る。
で、焦りすぎて友達にメールしました。いきなり切り札使いました。それだけ切羽詰まってたんです。
みのもんたも「えっ、まだ1問目だよ?」って聞いちゃうレベル。
そんな質問は池上さんにでもしてくださいって思いながら完全にスルーしてメールを打ち始める。
完璧なスルーでした。LINEで例えると、メッセージを通知センターで読んで既読付けずにスルーするくらいの超高等テクニック。
「カフェなうなんだけど、完全に飲み物頼むタイミング失った…タスケテ…」
友達「今頼めよwwwwwww」
今 頼 め よ
なに笑ってんだぁぁぁあああああああ!!!!!!
ダメだコイツ…分かってない…。そういえば、この人はカフェ大好き人間だったわ。スターバックスなんちゃらコーヒー大好き人間だったわ。
やはり、この状況を打開するにはAの選択肢しかないというのか…。仕方なくメニューを開きました。コーヒー1杯、500円。Oh...
もうね、ホールの店員さんがね、ちょくちょく見てくるのね。ここまできたら、店員さんたちが何を思ってるのか手に取るように分かるんです。
「早く注文しろよ。場所だけとって邪魔なんだよボケ。テーブル席の無駄遣いだ…」
もうね、諦めました。結局、Cの読書続行を選択。
お前ら店員の目なんか気にするかってーの。
しかし、なかなか読書に集中できないので、なんとなく店内の音をきいていました。
そしたらね、ここでは絶対、飛び交わない単語が耳に入ってきました。最初はハッキリ聞こえなかったんですけど、なんか言ってるんです。耳を澄まして聞いてみました。
「…チ……ン」
「チンチン」
!?ですよ。ホントに。衝撃。
隣に座ってるオバちゃん3人が孫のチンチンの話をしていました。ここでする話かよオイ。思わず笑いそうになりました。
オバちゃん1「ウチの孫はお風呂からあがってきたら、走りまわるのよ。その度に追いかけて体拭くんだけど、拭いてるときにチンチン引っ張たりしてね…」
オバちゃん2「あら~、ウチの孫は朝起こしにいくとパンツに手入れて寝てるのよ~。旦那もたまに入れてるわ。やっぱり男の子ってチンチン好きねぇ~」
オバちゃん3「チンチンって若い頃にちゃんと手入れしてあげないと…」
もうコレ以上は書けない。なんか書いてて悲しくなってきました。
これだけ大胆だとこっちも不安になってくるわけです。
(アレ…?カフェってチンチンの話するところだっけ?もしかして入るところ間違えたんじゃ…?)って。
突如、笑ってはいけないカフェテリア24時が始まったわけです。逃げたかった。でも、Cの選択肢を選んでしまった。
今、思えば、C選んだって何も状況変わってないじゃん!って思った。
過去へ戻りたい。インターネットだったら左上の戻るボタン連打してる。トップページのGoogleまで戻ってる。そのくらい戻りたかった。
もう降参です。負けました。イヤホンつけました。初めからこうするべきだった。無理やり読書続行。
オバちゃんたちが気になり過ぎて全然、読めてなかったけど。
んで、30分くらい読書してるフリしてたら、オバちゃんたちが帰りました。よかった。助かった。ふと、時計を見るともう18時。そろそろ帰らなきゃいけない時間。
何も頼んでないけど、そんなん知るか!帰るったら帰る!
でも、さすがに気が引けたので、伝票の裏のお客様の声をお聞かせください。って欄があったので、そこに「何も頼まずに長居してごめんなさい」って書きました。
書かないと帰れない気がしたんです。
帰りの身支度をして席を立ちました。喫煙席を出て、いつぞやの2ばんどうろを抜けて、レジの前にきました。
当然、何も注文してないので、スルー。
ドアを開けて、いざ、外へ。無限の彼方へ、さあ行くぞ!…と、思った矢先、喫煙席の奥から1人の店員さんが走ってきました。
あぁ、なんかやらかしたかな?と、思っていると、
「お客様、ご注文の方は…」
あ、やっぱり?頼まなきゃいけなかったか…なんて思いながら、
「財布忘れました…」
苦し紛れの言い訳。
「でしたら、次回お越しの際にぜひこちらを…」って、言われてクーポン券を貰いました。
ありがとうございます。って言って泣きながら帰ってきましたよ。
もうあそこ行けなくなりました。