桜が混沌とした日常をピンクに染め上げるこの季節。
いや、俺も「何か始まるかもしれない…ッッッ!!!」って思ったけどさ、
とことん何も始まらないし、いままでと何も変わらないっていうね。
2か月という無駄に長い春休みが終わって、友人たちと久しぶりに再会すると名前が出てこない人や行方不明の人やいつの間にか大学辞めた人もちらほらいる。
春は暖かくていいけど、陽気な季節だから変な人もいる。
この前、駅のトイレ行ったらサラリーマンが来て隣で用を足してたんだけど、
ナント!電話しながらおしっこしてた。頭と肩で挟んでた。
おいおい、器用かよっつって、放尿音を聞かれる新手のプレイかよっつって。でも、周りから見たら変なやつにしか見えないぞ。
「はい!お待ちしております!」とか言ってんのよ。どんだけ待ってくれない電話相手なの…。
んで、案の定、落としたよね。スマホを。小便器に。カランコロン…つって。
そりゃあもう綺麗な軌跡をスマートに描いてた。
リーマン、一瞬で顔面蒼白。それに対してスマホ、秒で黒画面。
独断と偏見で判断して「まぁオセロ的にいうと、黒が判定勝ちかな?」って感じ。(勝ちってなんだよ…)
俺も(あーあ、、、)って思った。
あとちょっとだけ時が止まったような感じした。ザ・ワールドかな?って。
そしたらリーマン、めっちゃ焦ってんの。
「あああああああああ!!!!!!」
まぁ、わかる。スマホ高いよね。
リーマン、さらにパニくる。
「すいません!!すいません!!!!」
ここらで周りが「!?!?」ってなってサラリーマンを注目する。
もうここからサラリーマンの独壇場。
スマホを拾おうとしてしゃがみ込む。しかし!
\トラップカードオープン!!赤外線センサー!!!/
???「説明しよう!!"赤外線センサー"とは用を足した人間が一定の距離を離れると自動で水が流れる仕組みになっているのだ!!!」
小便器「ジョーーーーーー!!!!!!」
リーマン「あああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「パターン青!使徒です!」
神かよコイツ、もう一人でコントできるよ!!
これはもう完全に壊れたでしょ…ってくらいジョボジョボ流れてた。
ゲンドウ「総員、第1種戦闘配置」
ミサト「無常にも流れる水、沈むスマホ、そして叫ぶリーマン。しかし時は待ってはくれなかった。依然として注目を集めるリーマン、連絡手段が無くなった彼がとった行動とは!?
さあて、この次もサービス!サービスぅ!」
リーマン、意を決して手を突っ込む。
「逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ…」
これにはリツコもドン引きの表情。
「ありえないわ!」
いや、俺だったら絶対拒否するわ…
「そんなの……そんなのできるわけないよッッッ!!!」
そしてなんとかスマホをサルベージに成功。
リーマン、ホームボタンを連打。
(目標をセンターに入れてスイッチ…目標をセンターに入れてスイッチ…)
「スマホ、依然として沈黙!予備も動きません!!」
リーマン、ここで諦めるかと思いきや近くの好青年に声をかける。
「すいません!携帯貸してください!!お願いします!!!!!」
ここは好青年、慈悲深い。スマホを貸してあげる。
なんて良い人なんだ…マザー・テレサかよ。
リーマン「ありがとうございます!!!!」
リーマン「もしもし!?先ほどは申し訳ありません!!かくかくしかじか…」
どうやら連絡ついたみたいだし、めでたしじゃん?って思ったけど、
アレ?リーマン、手洗ってなくね??